ヤラミソ女の話

一体だれが言ったか、ヤラミソ女。

この言葉を作った奴のことは一生恨むだろう。

だが実際、同士の存在を知って安堵している一面もある。

そう、私もいわゆるヤラミソだ。

ミソをすぎてもう随分経つけれど。

 

ずっと片思いをしていた。振り返ってみると七年半。

初めて彼に出会った時に「この人と結ばれる気がする」と思ったあの感覚をいまでも覚えている。

なぜだか分からないが、これがいわゆるビビッとくるっていうやつだと思ったものだ。

彼とは実際にとても親しくなった。

それゆえに喧嘩もした。疎遠になったりもした。

でもいつかまた元通りになると思っていた。

彼もまた思わせぶりな態度をとっていたと思う。

だからほかの人に目を向けるなんてことは一切考えもしなかった。

彼と結ばれるということを信じて疑わなかったからだ。

 

でも現実は違った。

彼はあっさり恋人をつくり、その人と結婚した。

相手が幼なじみだというから少し笑える。

彼はとてもモテた。いろんな女性と軽いデートをしていたことを知っている。

だけど結局、幼なじみの元へ帰っていったのだ。

 

そうして私は気づけばヤラミソというものになっていた。

どうしてセックスをしたことのない人を好奇の目でみる風潮があるのだろう。

そういう人が主人公のドラマがあるのだろう。

決まってそのドラマは「地味な30代処女、一発逆転!年下イケメンと恋に落ちる」という設定だ。

なぜ?

そんなドラマは嫌いじゃないから見てしまうけど、正直モヤモヤする。

今クールもそんなドラマがあっている。

モヤモヤしながら見ている私がいる。